内部統制には、日本には会社法で求められている内部統制と金融商品取引法で求められている内部統制の2つがあります。この2つの内部統制が入り混じって混乱している企業担当者の方がかなり多いのが実情です。この2つの違いについて、制度の目的と法的規制の目的、開示書類という3点から理解しておく必要があります。
まず、金融商品取引法の内部統制には、「法令遵守」「財務報告の信頼性」「業務の有効性・効率性」「資産の保全」という4つの目的がありますが、この中で求められているのは「財務報告の信頼性」のみとなります。一方、会社法では漠然とコーポレートガバナンス(企業統治)について適正さを求められています。(見方によっては前述の4つの目的全てとも言えます。)
金融商品取引法にて、財務報告の信頼性確保に絞り込んで厳しい体制の構築を求められる背景には、粉飾決算の摘発が相次いで市場に対する信用が低下したことを受けて、粉飾決算をさせない仕組みがあることを経営者に約束・宣言させるためです。
そのため、2つの視点である法的規制においては、内部統制報告書に虚偽等が認められれば、経営者自身には5年以下の懲役または500万円以下の罰金、法人には5億円以下の罰金を科してまで粉飾決算を防止しようとしています。会社法では、罰金等は求められないため、この点においても大きな違いがあると言えます。
そして最後の3つ目の視点ですが、会社法では大会社もしくは上場企業であれば「内部統制システムに関する基本方針」という書類でコーポレートガバナンスを主とした体制について開示します。一方、金融商品取引法では財務報告の信頼確保の視点から自社で監査した結果と監査法人の監査結果について、内部統制報告書及びそれに対する監査証明を開示します。
大きく3つの視点で違いを説明しましたが、実務対応において頭が混乱してしまうのは金融商品取引法の内部統制が、財務報告の信頼性確保に重点しているという点です。このポイントを忘れずに全ての作業をこなしていくことが大切です。
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2011.11.13 石井真人