ベンチャー企業が、いざIPO(株式公開)を目指す段階となった時、内部統制コンサルティング会社と契約して体制構築を目指される場合に1つだけ注意点があります。それは、上場審査について経験値のある会社(もしくはコンサルタントが在籍している会社)を選ばなければ、契約した成果をさほど得られない可能性がある点です。
その理由は至ってシンプルなのですが、内部統制導入はIPO(株式公開)準備の一環であるため、上場審査において証券会社や取引所からどのような質問(審査内容)を受けるのかを把握しておかなければ、会社のどの部分をしっかり体制構築するべきか?がわからないのです。
万が一、審査のポイントがわからずに内部統制を導入すると、いざ直前期に入った段階で一度構築した内部統制を上場審査に合わせて再構築・・・なんて事態も十分にあり得るのです。これでは膨大な作業を費やし、お金と時間を無駄にしてしまいます。
例えば、内部統制の評価プロセスは、内部監査の監査プロセスとほぼ同じ流れだと言えます。内部監査では社内管理体制について広く浅く監査を行う事に対して、内部統制では財務報告のポイントに絞って評価することが実務上(監査・評価)の異なる点です。そのため実施基準では内部統制評価を行う適任者として“内部監査人”に注目しています。この時、会社の規模・体制によっては内部監査人に多大な負荷が掛かるため、内部統制と内部監査の連携を上手く考えなければ著しく作業効率が低下してしまうのです。この問題に気付かず、内部統制評価プロセスだけを優先してしまうと後々困る可能性はかなり大きいと言えます。
内部統制が特需だった頃は、“内部統制対応”というキャッチコピーを掲げたコンサルティング会社やシステム会社、士業事務所等が沢山存在していましたが、これは当時の内部統制関連の契約が取り易く、高額な報酬を請求できたことに注目した人が多かったということです。しかし、その多くは“内部統制制度が本質的に求めているポイントすら理解せず、そして上場審査に対するノウハウも無い”という実態があり、結局何も成果が出なかったケースが多々あります。
最近ではそういう会社は随分と減りましたが、それでも上場審査に対するノウハウを持つ会社は極めて少ないと思います。単純な金額だけの相見積だけではなく、こういう視点からもコンサル会社を審査されることをお薦めいたします。
⇒
内部統制コラムに戻る
⇒
代表者の株式公開・内部統制実務サポート実績を見る
2011.11.18 石井真人