ベンチャー企業の有効且つ効率的な内部統制評価範囲の策定方法
内部統制を導入する際、最初に取りかかる作業が“内部統制評価範囲の策定”となります。この作業はリスクアプローチという観点で、財務報告の金額的重要度の大きいところから優先的に評価範囲を決めていきます。(金額的重要度が低くても質的な観点から評価範囲にするものもあります。)この評価範囲を極力狭く設定しないと、内部統制担当者の作業負担が大きくなるため、かなり大切な作業となります。
しかし、アーリー段階のベンチャー企業が内部統制評価範囲を策定しようとした時、ここで一点の問題点が出てきます。それは、まだ財務諸表等を作成する体制が出来上がっていない企業が大半であるため、厳密な評価範囲策定がすぐに出来ないということです。そのため評価範囲を絞り込むことをせず、“何となく重要に感じる範囲”で作業を進めてしまい、後から改めてやり直すケースも出てきます。これでは作業時間と労力を無駄にしてしまいます。
この問題を解決するためには、3パターンの方法があるかと思います。1つは、とりあえず計算書類を財務諸表に組替をするパターン。もう1つは計算書類ベース、最後の1つは予算ベースの数値を用いた評価範囲策定するパターンです。いずれかの方法で評価範囲を絞り込むわけですが、これでも完全ではありません。(ちなみに評価範囲は、全社的な内部統制や決算財務報告統制、IT統制は会社・事業所単位で絞り込み、業務プロセス統制(三点セット)については勘定科目単位で絞り込みます。)
そこで評価範囲を完全に絞り込み、作業の無駄を無くすために監査法人とのミーティングを行います。監査法人の先生方は、実は毎年の財務諸表監査等において“その企業の危ないポイント(リスク)”を既に把握しているのです。そのため、「先生方の視点から見て、“気になる勘定科目や子会社”があればご意見頂けませんか?」と相談を持ちかけるのです。そうすれば内部統制導入をスムーズに進めたいのは監査法人側も同じため、「この勘定科目が御社のビジネスモデルにとって重要ですよね。」など不足範囲等について教えて頂けることが多いです。
このように評価範囲について監査法人とミーティングしておけば、後々の作業の無駄を大きく削減できますので、ぜひ実践されることをお薦めいたします。
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2011.11.19 石井真人
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